
Molegro Virtual Docker (MVD)は、蛋白質-リガンド相互作用を予測するための統合プラットフォームです。分子のプレパレーションからターゲット蛋白質のポテンシャルバインディングサイトの決定、そして、リガンドのバインディングモードの予測まで、ドッキングプロセスの全てを現在トップレベルの精度で行うことが可能です。
新たに加わった機能の詳細は、リリースノートでご確認ください。
MVDが使用されている文献のいくつかを、Selected Reference のページに掲載しております。
MVD5.0.0から搭載された主要機能:GPUアクセラレーションとLigand Maps 2Dについてはこちらで紹介しています。
Molegro Virtual Dockerは、操作性と生産性に焦点を合わせたユーザーインタフェースを結合し、これまでに無い最適化テクノロジーをベースにした高品質のドッキングを提供します。
- 高いドッキング精度: 使われているドッキングエンジンは、バインディングモードを高い精度で正確に同定することが実証されています。ベンチマークの結果からも、正確なバインディングモードの同定に関して、Molegro Virtual Docker は、 他のドッキングプログラムを凌ぐことが示されました。
- 使い易いインタフェース: 組み込まれたウィザードにより、ドッキングのセットアップと実行を容易に行うことができます。リガンド‐レセプター相互作用を検証し、発見されたドッキングソリューションを微調整するための先進のビジュアライゼーションツールや解析ツールを提供します。
- メジャーなすべてのOSに対応: Linux、Windows、そして、Macにも対応しています。ライセンスを受けたユーザは、CPUを特定することなく複数のOS、複数のマシンでも利用できるのも魅力のひとつです。
価格とライセンスについて
ドッキングスタディ用のソフトウエアは高価格なものと思われがちですが、Molegro Virtual Docker は、例えば、アカデミック価格:145,000円(消費税別)の年間利用ライセンスで提供しております。
現在、Molegro社のライセンスポリシーは、ライセンスを与えられたユーザは、CPU(PC)を特定せずにソフトウエアを利用することができる、というものです。これは、もしあなたがこのソフトウエアを購入された場合、台数に制限なく、職場のPCやご自宅のPC、また、それ以外のPCに、それぞれインストールして利用することができるというだけではなく、それが、Windowsでも、Macでも、さらに、Linuxでも並行して利用できることを意味しています。これまでのような、利用できる場所やマシンの制約から開放されます。
ドッキングアルゴリズム
Molegro Virtual Dockerは、リガンド-蛋白質相互作用を予測するためにMolDockドッキングエンジンを用いています。MolDockは、guided differential evolution と呼ばれる新しいハイブリッドサーチアルゴリズムをベースにしています。
guided differential evolution アルゴリズムは、ドッキングプロセスの実行中に動的に用いられるキャビティ予測アルゴリズムに、differential evolution (DE) 最適化手法を組み合わせたものです。
Differential evolutionは、1995年にStornとPrice[1]によって紹介され、これまで様々な最適化問題に適用され成功を収めてきました。サーチプロセスが行われている間の、予測キャビティの使用は、高速かつ高精度なポテンシャルバインディングモードの同定を可能にします。
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MolDockドッキングエンジンについては、比較評価テストが続けられており、詳細は、MolDock: A New Technique for High-Accuracy Molecular Docking (Journal of Medicinal Chemistry) に掲載されています。 |
[*] Based on 76 out of the 77 complexes in the Surflex77 set.
評価関数
ドッキングシミュレーションで用いられる、MolDockスコアリング関数は、区分線形ポテンシャル = "piecewise linear potential" (PLP) に基づいています[3]。MolDockでは、ドッキングスコアリング関数が、水素結合指向性を考慮した項と新しいチャージスキームよって拡張されています。このドッキングスコアリング関数により、ドッキングプロセス中にposeを瞬時に評価することが可能となりました。
ドッキングスコアリング関数、 Escore は、次のエネルギー項によって定義されます:

Einter は、リガンド-タンパク質相互作用エネルギーで:

この中で、EPLP 項は区分線形ポテンシャルであり、第2項は、帯電原子間の静電相互作用を示しており、
Eintra は、リガンドの内部エネルギーで:

ドッキングプロセスが終了した後で、見つかったposeは、更に複雑な力場(LJ12-6を用いた項)を用いて再び順位付けすることも可能です。
更に詳しい情報については、Molegro Virtual Dockerのマニュアルをご参照ください。MolDockスコアリング関数と検索アルゴリズムに関する詳細な解説が掲載されています。こちらのMolegro社のホームページよりダウンロードすることができます。
[1] Storn, R.; Price, K. Differential Evolution - A Simple And Efficient Adaptive Scheme for Global Optimization over Continuous Spaces. Tech-report, International Computer Science Institute, Berkley, 1995.
[2] Friesner, R. A.; Banks, J. L.; Murphy, R. B.; Halgren, T. A.
Glide: A New Approach for Rapid Accurate Docking And Scoring. 1. Method And Assessment of Docking Accuracy.
J. Med. Chem. 2004, 47, 1739-1749.
[3] Gehlhaar, D. K.; Verkhivker, G.; Rejto, P. A.; Fogel, D. B.; Fogel, L. J.; Freer, S. T. Docking Conformationally Flexible Small Molecules Into a Protein Binding Site Through Evolutionary Programming. Proceedings of the Fourth International Conference on Evolutionary Programming 1995, 615-627.
分子のインポートと調整
分子のインポートとプレパレーションは非常に容易です。分子構造ファイルは、その構成要素別(タンパク質、リガンド、補因子=cofactor、水分子)に取り扱われ、自動的にプレパレートされます。
MVDが、結合、芳香族性を検出し、チャージをアサインします。そして、explicitな水素を付加します。
ビルトインされたキャビティ検出機能が、有望なバインディング位置を見つけ出します。最も興味のある領域に対して探索空間を制限することも可能です。
プロトン化ウィザードにより、可能性のあるプロトン化ターゲット(例えば、ヒスチジン残基)を迅速に同定し、コンテクストメニューを用いてすばやくそれらの水素化状態を変更できます。
自動キャビティ検出とプロトン化ガイドを用いたプロテインのプロトン化
ドッキング
ドッキングプロセスは、ドッキングウィザードを通して行われます。ドッキングウィザードにより次のような操作が可能です。:
- シミュレーションに用いる構造の選択
- ポテンシャルバインディング領域の選択 (MVDがポテンシャルバインディングポケットを自動的に表示します)
- サーチアルゴリズムのプロパティの設定及びクラスタリングとデータロギングのセットアップ
- 束縛の追加設定
- 不足している構造情報(例えば未知の残基)や疑わしいプレパレーションに対するの警告内容の確認
Docking Wizard でのいろいろなステップ
分析
Pose Organizerでは、ドッキングエンジンによって返されたposeをブラウズできます。ドッキングを実行しながらposeをロードすることができるので、非常に多くのリガンドをブラウズすることを可能にしています。
様々なエネルギー項と相互作用を検証することができ、更に高度な順位付けとバインディングアフィニティ量を計算することも可能です。poseが切り替わるとき、水素結合と静電相互作用は、それに合わせて更新されます。
配列と構造の視覚化
Sequence Viewerでは、蛋白質中の残基を素早く識別し選択することができます。カートーン表示では、異なる二次構造領域をハイライト表示します。
束縛 (Constraints)
様々な束縛により、エネルギー景観の変更、相互作用発生の強制や抑制が可能です。
束縛は、化学特性(例えば、水素結合受容体や環原子)に基づいて定義されるか、各リガンドの個々の原子ついて指定できます。
Data Analyzer
MVDのData Analyzerでは、ニューラルネットや重線形回帰の回帰モデルの生成、統計量の抽出、そして、データの可視化を行います。
- MVDドッキング計算からドッキングした化合物の数値特性を予測。ユーザが作成したモデルは、Pose Organizerに直接取り込むことができます。
- (サードパーティのソフトウエア等から)インポートされた数値ディスクリプターを用いて回帰モデルの作成
- 関連するディスクリプターを見つけるためのFeature selection.
- 関連ディスクリプターの操作や派生ディスクリプターの生成のための、代数データ変換プラグイン
- 1Dプロット(ヒストグラム),2Dプロット(X-Yプロット),3Dプロット
- 様々な統計手段
Sidechain Flexibility
MVDでは、サイドチェーンフレキシビリティは、ドッキング計算時のポテンシャルをソフトにし(PLP-ポテンシャルのトレランスを増加させる、あるいは、選択されたサイドチェーン相互作用を弱める)、多様なポーズのセットをドッキングし、そして、最終的に側鎖の構造を最適化することで行われます。レセプター構造を手動で最小化することも可能です。
ドッキング計算が完了した後、見つかったポーズは、それらのマッチングレセプターコンフォメーションと同時にポーズオーガナイザーで直接視覚的に検証できます。
Template Docking
MVDでは、リガンドをドッキングテンプレートに対してドックさせることが可能です。ファーマコフォーと同じように、テンプレートは関連性のある化学プロパティ(チャージ、水素結合性のような)から構築され、一つあるいは複数のリガンドコンフォメーションから自動生成させることができます。 テンプレートはいろいろは方法で利用することができます:
その他の機能
- Windows、Mac(PowerPC及びIntel)、Linux(32-bit,64-bit)に対応
- 組込みエディタを用いた、拡張性とカスタマイズ性を兼ね備えたマクロ機能
- カスタマイズ可能な分子サーフェスとバックボーンの表現
- 対称変換情報を含んだPDBファイルのためのBiomolecule generator
- 様々な分子プロパティのための高度なテキストラベリング
- 最新バージョン情報の自動チェックとオンラインヘルプ
- MVDでは、MVD自身のスクリプト言語、または、外部のスクリプト言語(Python wrapperが付属)のいずれかを用いてスクリプトの記述が可能
- poseをマニュアルで修正するための Pose Modifier。
























