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ノーザンサイエンスコンサルティング株式会社

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バイオイメージングデータ統合管理システム

肉眼では見ることのできない顕微鏡を利用した鮮やかなミクロの世界。近年では、顕微鏡が高性能になり、高解像・高感度の画像が取得可能になっています。それに伴い、1度の実験で発生する画像データはファイルサイズ、ファイル数が大幅に増加しました。

BioSpect™を利用しているユーザーは、どのような課題を抱え、何をきっかけにBioSpect™の導入を決めたのか。また、導入によって課題は解決されたのか...。ユーザー様に語っていただいた貴重な事例をご紹介します。

  BioSpect™ 1.0 製品資料
ケーススタディ:北海道大学大学院医学研究院 細胞生理学教室

“Seeing is believing” を合言葉に細胞生理機能の可視化を目指す

日本一の広さを誇る雄大なキャンパス

北海道大学は、1876年(明治9年)に創設された札幌農学校を母体とし、1918年(大正7年)に北海道帝国大学として設立されました。大学の主要拠点である札幌キャンパスは、南北1.5キロに渡って延びるメインストリートを中心に、約177万m2、東京ドーム38個分という広大な敷地が広がっています。キャンパス内に自生するエルム(楡)にちなんで、通称「エルムの杜」と呼ばれるだけあって、四季の折々の移り変わりを敏感に感じ取ることができる、自然あふれる景観が魅力です。

生命の仕組みを可視化する

細胞生理学教室は前身である、第一生理学講座(教室)が医学部設置の翌年1920年(大正9年)に誕生、組織再編を経て、2013年(平成25年)に現在の体制となりました。今日では、蛍光バイオイメージングによる細胞生理機能の可視化、解析を目指し、日々活動を続けています。同研究室では60兆個とも言われるヒトの細胞それぞれが環境変化に応答し、協調した生理機能を発揮することで生体にもたらす、動的恒常性の基礎を担う細胞内シグナル伝達をバイオイメージング技術を用いて可視化することで得られた結果を元に生命の仕組を包括的に理解することを目標に研究を進めています。

現在は、緑色蛍光タンパク質(GFP)やフェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)などのライブセルイメージング技術を駆使し、シグナル伝達の可視化、エンドサイトーシスとメンブレントラフィックの関連を中心に研究を行っており、今後はより多次元の蛍光観察を取り入れることで、包括的な生体膜の恒常性維持機構、細胞社会における細胞内・細胞間シグナル伝達の研究展開を検討しています。

知的創造と後進育成

また、同研究室では知的創造と人材育成にも力を入れており、平成22年度より、基礎から応用までを学ぶことができるイメージングブートキャンプ(平成27年度からは大学院共通授業科目「蛍光イメージング入門」と共催)という、イメージング講習会を毎年開催しています。

Point

電子データによる、実験データ管理

細胞生理学教室教授 大場雄介氏、同研究室助教 藤岡容一郎氏は研究開始当初から電子データでのデータ管理を行ってきました。 「ウエスタンブロッティングの結果を他の研究室がフィルムに焼いてた時代から、私たちの研究室ではデジカメで撮影し、通しナンバーを付けてMDやCDなどのメディアに保存をしていました。」(大場教授)しかし、近年では顕微鏡の性能も上がり、デ—タの管理も困難になってきています。

機器の高性能化、データの大規模化が管理を困難に...

「多点を同時にタイムラプス撮影が可能になったことで、データサイズも7倍、8倍に増え、1回の撮影で1,000枚以上の画像(4GB程度)が発生するようになり、メディア媒体での管理が難しくなりました。5年前にNAS(ネットワークHDD)での管理を開始しましたが、翌年にクラッシュしてしまい、より安全性の高いデータ管理システムの検討を始めました。」
(藤岡助教)

同研究室では観察、撮影をオリンパス社製の顕微鏡で行い、解析には、モレキュラーデバイス社の解析ソフトウェアMetaMorph、オープンソースのImageJを用いています。MetaMorphで解析をしたデータは16bit Multi-tiff 形式のファイルとなり、サムネイル表示をすることが出来なくなるため、過去のデータを検索する為には、1枚1枚画像を開いて確認していく必要が有りました。「MetaMorph上でも画像を一覧表示することはできますが、特定のPCにしかインストールされていないため、どのPCからも画像が一覧で確認できるようにしたいと考えていました。」(大場教授)
同研究室では、高まるデータ管理の重要性と効率的なデータハンドリングを実現させるために、BioSpect™の導入を決定しました。

BioSpect™を使用した効率的なデータ検索・一覧表示

BioSpect™は、Webクライアントシステムを採用しているため、研究室のどのPCからでも、サーバーに登録したデータを日付や実験者、サンプル名等で検索することが出来、スタックされたタイムラプス画像をFLASH形式に変換し、即座に一覧表示することが可能です。「昨日、今日観察したデータとは違い、3年前に観察したデータを探すことは難しいですが、BioSpect™を使用することで、過去のデ—タもすぐに探せるようになりました。普段Macで作業することが多いですが、MetaMorphはMacで使用出来ないので、BioSpect™で検索したデータをサーバーからダウンロードしてそのままImageJ(解析ソフトウェア)で解析を行っています。デ—タ検索が容易になり、効率的に作業を進められるようになりました。」(藤岡助教)

より効率的で使い易いシステムへ

現在、7名の研究員がタイムラプス撮影をした画像解析を行っていますが、BioSpect™は操作も簡単なため、導入後のトレーニングを必要とせず、全研究員が順調に作業を行うことが出来ています。現在は2次元のタイムラプスが中心となっていますが、今後は3次元のタイムラプスも行う予定とのことで、より大規模デ—タ管理、ハンドリングが必要になりますが、BioSpect™を使用して、効率的に作業を進めていけるよう、弊社でもBioSpect™のバージョンアップ、機能追加を進めていく方針です。

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